家を建てる時「窓を大きくすると家が明るくなり、暖かくなる」と、多くの人が考えるようです。しかし、窓・ドアの断熱性を断熱材と同じRという数値で比べると、次のようなことがわかってきます。
例えば、厚さ100㎜の高性能グラスウールR2.6の壁と比べて、アルミ樹脂複合サッシュでもR0.29と、窓は壁の約1/10しか断熱性がないことがわかります。
確かに、窓からは冬の日差しが入って家を暖かくしてくれますが、それは1日24時間のうち、ほんの6~7時間で、残りの17~18時間は壁に比べて窓からは10倍の勢いで熱が逃げ出します。寝室や子供部屋などは日差しが入って暖かい昼間には使われることがなく、猛烈に熱が逃げる夜になって人がいるのですから、大きな窓をつけるのは考え直したほうがいいのです。
建築基準法ぎりぎりまで窓を小さくしても(室面積の1/7)昼間の部屋はけっこう明るいものです。

日本では、冬の寒さとともに夏の蒸し暑さにも悩まされます。
昔の人は暖まることはなんとかできても、冷房することなど思いもつかなかったわけですから、大きな開口や深い庇をもつ建物をつくり、夏の暑さや直射日光を防ぎ、風通しをできるだけする。ということで暑さから逃れていたわけです。
それが現代にまで日本建築の思想の中に生き続けているのです。生活はすっかり変わり、冬は暖房を、夏は風通しだけでは快適さが得られないので冷房する生活に変わったのに、日本的な思想はなかなか抜けません。
しかし大きな開口をもって暖冷房をしたら、大きなエネルギー消費を招き、しかも暖冷房の効果が悪くて快適さは得られません。そのことを冷静に考えてみる必要があるのではないでしょうか。

